後遺障害による逸失利益は、「基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」で算出されます。

労働能力喪失期間とは、後遺障害によって労働能力を喪失する期間のことです。
そして、逸失利益の算定では、労働能力喪失期間の年数を掛けるのではなく、その年数に対応するライプニッツ係数という数値を用います。
ライプニッツ係数とは、労働能力喪失期間の年数に対して5%(民法で定められた法定の利率)の中間利息を控除した数値のことです。
逸失利益の賠償では、将来の減収をまとめて一括前倒しで受け取るために、このようなライプニッツ係数による調整を行います。

後遺障害とは、治療を継続してもこれ以上の改善が期待できないと診断された場合に認定されます。
そのため、労働能力喪失期間は、原則として、症状固定時から就労可能期間の終期とされる67歳までと認められます。
症状固定時の年齢が67歳を超える場合には、原則として、その年齢における統計上の平均余命の2分の1が労働能力喪失期間と認められます。
また、症状固定時から67歳までの期間が、その年齢における統計上の平均余命の2分の1よりも短くなる場合には、原則として、平均余命の2分の1が労働能力喪失期間と認められます。

ただし、労働能力喪失期間の終期は、職種、地位、健康状態、能力等によって、上記とは異なる判断がされることもあります。
また、むち打ちなどの神経症状については、年数経過による症状の改善や、症状への慣れが見込まれるとして、障害等級12級で10年程度、障害等級14級で5年程度に制限される例が多く見られます。

労災に関するQ&A一覧

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