基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
後遺障害による逸失利益は、上記の式で計算します。
基礎収入とは、逸失利益を算定する基礎となる年収のことです。
労働災害(労災)の発生時における収入をベースに考えるのが原則となりますが、若年の場合には将来の増収の見込みを考慮した全国平均賃金を参照することが多いです。
労働能力喪失率とは、後遺障害によって労働能力を失う割合のことです。
障害等級ごとに基準値があります。
労働能力喪失期間とは、後遺障害によって労働能力を喪失する期間のことです。
そして、ライプニッツ係数とは、労働能力喪失期間の年数に対して3%(民法で定められた法定の利率)の中間利息を控除した数値のことです。
逸失利益の賠償では、将来の減収をまとめて一括前倒しで受け取るために、このようなライプニッツ係数による調整を行います。
【計算例】
労働災害の発生時の年収が350万円、年齢が47歳で今後20年間の就労が見込まれるところ、障害等級10級の後遺障害が残ったというケースで、逸失利益を計算してみます。
障害等級10級の労働能力喪失率は、27%が基準値です。
労働能力喪失期間が20年間であるとして、20年に対応するライプニッツ係数は、14.8775です。
このケースで逸失利益を計算すると、次の計算式のとおり、1405万9237円となります。
350万円×0.27×14.8775=1405万9237円