労働災害(労災)の被害で後遺障害が残った場合には、後遺障害による精神的苦痛や生活・労働への支障などのため、精神的苦痛を被ることとなります。
後遺障害慰謝料とは、このような精神的苦痛に対し、金銭的に評価して賠償するものです。
後遺障害慰謝料の金額は、障害等級に応じて1級の2800万円~14級の110万円と標準額があります。
ただし、後遺障害の内容や被害者の属性等によって、増減額される場合もあります。
また、重度の後遺障害の場合には、被害者本人のほかにも、近親者にも慰謝料の請求権が認められることがあります。
近親者の慰謝料の額は、障害等級、近親者と被害者との関係(どれだけ近しい関係か等)、その他具体的事情によって判定されます。
様々な裁判例によると、近親者ごとに100万円~300万円程度が認められた例が多いように見受けられます。
後遺障害慰謝料は、労災保険による填補が一切ありません。
会社側に使用者責任や安全配慮義務違反が成立する場合には、会社側に対して後遺障害慰謝料を含む損害賠償を請求することができます。