労働災害(労災)の被害で後遺障害が残った場合に、後遺障害が原因でそれまでに行っていた仕事ができなくなることがあります。
また、重篤な後遺障害が残った場合には、仕事が全くできなくなることもあります。
このような場合には、後遺障害がなければ将来得られていたはずの収入が減ってしまうとか、全く失われてしまうという損害が生じます。
このように、後遺障害によって将来の収入が減少・喪失してしまう損害を、逸失利益と言います。
後遺障害による逸失利益の金額は、被害者の年収額(若年の場合には将来の増収の折り込んだ賃金額)や後遺障害の内容・程度によって、大きく金額が異なります。
適正な障害等級の認定を得ることは、後遺障害による逸失利益の十分な補償を受けるに当たって必須項目となりますので、障害等級の認定については弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。
後遺障害による逸失利益については、労災保険の障害(補償)給付による填補があるのですが、ごく一部が補償されるに過ぎません。
障害等級が重いものであるほど、実際の損害額と労災保険の給付額との差が大きくなります。
会社側に安全配慮義務違反や使用者責任が成立する場合には、会社側に対して損害賠償請求をすることができますが、その中で労災保険によって填補されない部分の逸失利益を請求することが可能です。
会社側に対する損害賠償の可否については、専門的な判断が必要となることが多いため、労働災害の問題に詳しい弁護士にご相談されるのがよいでしょう。